職人技・・・デントリペア!
デントリペアは正式にはペイントレスデントリペア(Paintless Dent Repair, PDR)と言い、ボディー表面にライト反射させ、その動きを見ながら、裏側に特殊工具を当て凹みを点で押し出し元の形を復元します。
80代後半~90年代にアメリカから入って技術と言われています。
アメリカでの認知度は高く車に凹みが出来たらまず、デントリペアショップへと言う程で、1つの町に1つのショップが有るそうです。
日本の職人が使用するツールもアメリカ製が多く、メーカーも多数有ります。
2000年代に入ると日本ではデントリペアスクールが流行りアメリカ人講師が教える所も多々ありました、店舗が無くても始められる事から初期投資が抑えられる為、気軽にやって見ようと考える方が多かったのか、簡単そうに見えて100%の無い職人技、思った様に技術習得が出来ず、又、1人立ちしても仕事が頂けず、諦める人が多かった様に思います。
ツールについて
ツールの種類は無限大で、その中から自分に有ったツールを選び時には自分で作り揃えて行きます
100種類位有ると殆どの凹みに対応できますが100%では有りません。
大きく分けて、押して使うタイプとひねって使うタイプが有りますが、どちらも“てこの原理”で支点を作り凹みを押し出します。
いかに支点をうまく作るかが、早く、綺麗に直すカギになります、支点から作用点が近ければ小さな力で凹みを押し出せますが、作用点が遠いと大きな力が必要になります。
仕様するツールに合わせ、ボディー裏側の構造を使ったり、フックを掛けたりして支点を作ります。
裏側から凹みの真ん中を押せば全体がペコンと出るの?と聞かれる事が有りますが、全く違って小さな凹みでも針の先で押す位の積み重ねで1mm以内を常に見ながら序所に元の形を復元します。
ライトについて
ライトは非常に重要な役割でボディー表面に光を反射させ、裏側からツールで凹みを押す事で反射する光が動き、ツールの位置を確認しています。
ボディー裏側からヘコミを押し出すので、何処を押しているのか良く分かりますね!と言われますが、経験有るデントリペア職人なら、どんなヘコミでもライト反射の動きを正確に見極め、ツール先を常に確認しながらリペアをしています。
最近はLEDを使った物や持ち運びに便利な小型の物、電源にバッテリーを使用する物などが開発されています。
プーリングについて
プーリングと言う技術は、その名の通り“引っ張る”、構造上裏側にツールが届かない場所は溶かした樹脂を凹みに付けて引っ張ります、樹脂、引っ張る為に使うタブと言われるプラスチックは多種多様で、ひょう害車修理には欠かせないツールです。
スライディングハンマー、リフターを使って引っ張りますが、少し凸状態まで引き上げ樹脂ポンチを使い、少しずつ叩き、調整し違和感無く仕上げて行きます、通常は引っ張り、ポンチングを繰り返し元の形を復元して行きます。
引っ張る技術よりポンチングの技術の方が高難度の技です。
T-HOTBOXについて
IH(電磁誘導加熱Induction Heating)の原理を使いピンポイントを瞬時に加熱し鉄板を膨張させる事で凹みを直すツール。
ツールアクセス出来ない場所でも薄っすらしたヘコミで有れば修理可能です。
数秒の加熱でも塗装が焦げてしまう事が有るので、使用は注意が必要です。