デントリペアとは
デントリペアとは
デントリペアとは、正式にはペイントレスデントリペア(Paintless Dent Repair, PDR)車のボディーにできた凹み修理のこと。鈑金塗装する事なく特殊ツールを使い凹みを裏側から点で押し出し修復する技術です。ボディー表面に特殊ライトを反射させ、その動きを正確に見極め作業します。
80代後半~90年代にアメリカから入って来た技術と言われています。
アメリカは、州よってよく雹(ひょう)が降るそうで、数センチ位の大きさになると車のボディーが凹みます、その修理の手法として広く認知されており1つの町に1件のデントリペアショップが有ると言われております。車に凹みが出来たらまずデントリペアショップに相談に行くのが普通だそうです。
日本でも最近の異常気象により、大気の状態が不安定の時はゲリラ豪雨、時には竜巻などが発生する事が有ります、場所によっては雹(ひょう)が降る事も有ります、数センチの雹が車に当れば多数の凹みは免れません。
毎年5月~8月は降雹が多く観測される時期で暖気に寒気が入り込む事で大気が不安定になり条件が重なると雹が降ります。
昔は凹みを直す場合、一般的には鈑金塗装で行っていましたが、メーカーの工場ラインには“ヘラ出し”と言われる技術を持った職人がいたと言う話が有ります。
製造過程で誤って付けてしまった小さな凹みを木製のヘラを使い押し出して直すと言う技術です、へこんだ場所を裏側から押す方法はデントリペアと同じですが、近年はボディーの裏側にツールが入らない場合は表側から引っ張たり、一瞬で熱を加えて鉄板を膨張させて凹みを修復する方法も行われています。
デントリペアは全ての凹みを直せる訳ではなく、大きい凹み(数十センチ以上)、深い凹み、複雑な形をした凹み、裏側にツールが入らない場所は修理不可になる場合が有ります、当然の事ですが職人の技量によって直せる凹みは違います。
対応出来る凹みは、ツールの多様化、技術者の技量アップにより確実に増えています。
デントリペアの基本は裏側から“押す”表側から“叩く”ですが、溶かした樹脂でプラスチック(タブ)とヘコミを接着させ“引っ張る”、IH(電磁誘導加熱Induction Heating)の原理を使いピンポイントを瞬時に加熱、鉄板を膨張させる事で凹みを直すツールも開発されています。
ツールは金属の“棒”だけのアナログ時代から、電気、熱を操る時代になっていますが、職人の経験有っての道具でしょう。
雹(ひょう)害車
雹(ひょう)は車のいたる所にヘコミを作ります、車両全体をくまなくチェックし、どのパネルに幾つのヘコミが有るか正確に数える為にマーキングをしてから作業に入ります。
数百箇所のリペアも通常のデントリペアと全く同じで1つ1つの積み重ねで仕上げて行きます。
雹害車修理を鈑金塗装で行う場合、ボンネット、ルーフ、トランクは交換、側面(フェンダー、ドアなど)はパテ埋めして全体を再塗装するのが一般的ですが、ルーフ交換をすると、査定時の評価が大きく下がってしまうと言う事が有ります。
新車で買った車をルーフ交換してしまうと、数年後、買い替えの時に下取り金額が大きく変わってしまう可能性が有ります。
ボンネット、ルーフは各パネル200ヶ所以上、実際に数が多すぎて数えられない様な凹みでも、じっくり時間を掛ければ
綺麗に仕上がります。
この車両のチェックに来た保険会社のアジャスターは、普通は交換でしょうと言ってましたが・・・この発言にビックリ。
ルーフを交換したら車両価値が大きく下がります、お客様の事を第一に考えれば、パて無し、交換無し、塗装無し、
この3つ無しは車業界では常識です。
デントリペアは雹害車修理には車に最も優しい修理方法といえるでしょう、パテを使わず、再塗装もしない、オリジナル塗装をそのままに凹みを直します。
雹害車修理は車両保険が使用出来ますのでご相談下さい。